初公判

恐らく人生でそう何度も足を踏み入れないだろう裁判所。場所を確認し30分前につく。検察側からくるだろう尋問と、それに答える答えを何度も弁護士と話した。玄関には旦那の名前の書いた初公判の案内。
会議室のような場所には被害者の方がいて、会釈しようも目を合わせない。
お店に何度も来てくれた常連さんが法律の専門家で、私のそばに居てくれた。この方の厳罰嘆願書は、かなり効いた。と思う。
裁判が始まる数分前、人生でこんなに緊張したことはない。時間きっかりにドアが開き、裁判官が着席し、警官に連れられて夫がきた。
手錠と腰紐。解ってるつもりだったけど、これは子供には見せたくないと思った。
夫の事件のことを、細かく拾っていく。間違いありませんね?ありません。その繰り返し。どんなに被害者の方が理不尽な思いで見ているか、それを思うと足が震えた。
検察側からの尋問も弁護士の先生に何度も何度も聞かれたこと。そのひとつひとつに答える。
では、情状証人弁論にうつります。
私が呼ばれた。